本当にあった、おみくじの話

もう15年前になるだろうか。
まだ都内に一人暮らしをしていた頃、歩いて数分のところにこじんまりしているが結構有名なお寺があった。
予定もなく暇だったので、たまにそのお寺まで散歩に行っていた。
その日もプラプラと散歩がてらお寺に立ち寄り、お参りした後おみくじがあったので引いてみた。

大吉

内容も結構いいことが書かれていたので、「なんかいいことあるかも」と、お財布にしまって家に帰った(単純)

数か月後に友人と、はとバスの「ミステリーツアー」なるものに参加した。
行き先は明かされず、行ってみてからのお楽しみというはとバスツアーで、着いた先は伊豆のあたり。
遊覧船に乗ってカモメにおやつをあげたり、湧き水が出ているところをまわったり、ロープウェイでこじんまりした山の上まで行ったりとなかなか楽しい時間だった。

その山の上で景色を堪能し、小さな祠にお参りして、友人が「おみくじだって」と言うので見てみると、おみくじの自販機?が置いてあった。
ここまで来た記念に引いてみようということになり、友人が先にお金を入れてダイヤルを回すとおみくじがポトンと一つ出てくる、まさに自販機。

「末吉だって~」と言う友人をなだめながら、次は私の番。
100円を入れてダイヤルを回してポトンと一つおみくじが出てきた。開けてみると

大吉!

悔しがる友人。
「そういえば、前に引いたおみくじも大吉だったよ」と友人に言うと、「そんなにポンポン大吉って出るものなの~」というので、財布に入れていた前に引いたおみくじを思い出して「持ってるよ、見てみる?」と疑いを晴らそうとして出してみたら

全く同じ内容のおみくじが2枚、そこにあった。

「全く同じおみくじだ!」と、二人でこんなことってある?と驚きつつ帰りのロープウェイで無事に下山した。
大吉が2回続けて出たのは嬉しいが、書いてある内容が全く同じおみくじを別々の場所で引くという確率は、どのくらいのものなのだろう。

後日、職場で話してみたが、同じ経験をした人はいなかった。

さて、それからどんないいことがあったかというと、これといってラッキーが転がり込んできたという記憶がない。
同じおみくじを引いたということが、そもそもラッキーなことなのか。
真相はわからないまま、今に至る。

ちなみにその数年後、1年の間に3回ほどおみくじを引いたら

全部、凶だった

ということはあった。3回続けて凶を引くと、さすがに落ち込む。

人にそれを話すと「今は動くな、ジッとしていろということかもよ」と言われ
いつまで?
なんか悪いことがあるの?
と、分かりやすく影響を受けてしまっていたが、これといってアンラッキーが転がり込んできたという記憶がない。

初詣で大吉を引いたのとその後今の夫と出会って結婚したのが、3連続凶の翌年。

いやぁ、未来って何が起こるか分からないなぁ。

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