レモンソーダ、その心は?

喫茶店勤務でお客様のオーダーを取っていた時、お客様が
「私は、レモンソーダね」
と、おっしゃった。

レモンソーダとは、はて面妖な・・・メニューには、レモンソーダという飲みのもはない。

すると、レモンソーダとは違うものを意味しているのか・・・。
考えられるとしたら

レモンスカッシュ
レモネード
メロンソーダ
クリームソーダ

この4つと仮定して、この中のどれかなのか、まずは確認してみよう。

「お客様、レモンソーダというのはございませんので、レモンスカッシュかレモネードでしょうか?」
「違う違う、いつも頼んでるやつよ。」

いつも頼んでいる、と言われても私にはわからないが・・・ということは、レモンスカッシュでもレモネードでもない。
ここは視覚で確認しよう、そう思ってメニューを見ながら「では、こちらでしょうか?」とメロンソーダとクリームソーダの写真をご覧いただいた。
「そうそう、これ。緑色のね」

しかしここで終わりではない、緑色の飲みものはメロンソーダとクリームソーダの2つある。
「緑色のもので、アイスクリームがのっている方ですか?のっていない方ですか?」

「もちろん、いつものアイスのないやつよ」

レモンソーダ、その心は・・・・メロンソーダだった。
いつもの、と言われてもわかる人もいればわからない人もいるし、もう少し具体的におっしゃって下さると分かりやすいんだけどな・・・。
そしてここまで辿り着くのにけっこうな労力を使ったなぁと。けっこう疲れた・・・。

お客様は、メロンソーダを頼みたかった。しかし、レモンソーダと言っていた。
ただの言い間違いだったのか、本人はメロンソーダと言ったつもりがレモンソーダと言ってしまったが、それに気付いていないのか・・・どちらにしても、私にはメロンソーダとは伝わらなかった。
あれ?と思って確認に確認を重ねて、レモンソーダの真意を突き止めた。疲れたけど・・・良かった。

そんなことがあり、コミュニケーションについて考えてみた。

希望するもの(メロンソーダ)を伝える時に、ちゃんと伝えられないと(レモンソーダ)相手に伝わらない。ここで気が付いて確認したことで言いたいことを理解できたが
これが毎回だと聞く方が「?」と思ったら、確認に確認を重ねないといけないのか・・・・。
レモンソーダと言われてレモンスカッシュと思い込んでしまうこともないとも言えない・・・・。

たかが飲みもの1つで、と思われるけれど
「レモンソーダ」と言われて、「レモンスカッシュ」だろうと思って持っていった場合を考えると

お客様 「頼んだのは、これじゃない!」(メロンソーダを頼んだのに)
店員  「レモンスカッシュじゃないんですか?」(レモンソーダって言ったから)
更にメロンソーダを作り直してもらうと、レモンスカッシュは廃棄される(食品ロス)

コミュニケーションがうまく行かないと、誰にとってもモヤモヤが残ってしまうんだなぁ・・・と。

そう考えていくと、コミュニケーションは双方の思いやりも必要なのかなと思えてくる。

相手にきちんと伝わるように、相手がわかるように伝えること
相手の言っていることが分からなかったら、どういうことか聞くこと


「たぶんこれだろう」の思い込みや「だいたいわかるでしょう」の察しては、誤解を招くこともある。

お客様 「私はメロンソーダね」(メロンソーダを頼みたい)
店員  「メロンソーダですね、かしこまりました。」(メロンソーダを頼みたいんだな)
相手にきちんと伝えて、言いたいことを確認しているので、お互いに理解していると安心できる。

しかし・・・HSP気質のある私は、更にもうひとつ確認したくなる・・・。
「アイスクリームがのっていない方でよろしいでしょうか?」
もしかしたら、メロンソーダとクリームソーダを間違えていないとも限らない、といった細かいところが気になってしまうのである。
お客様からしたら面倒だと思うかも知れないけれど、ごくたまに「アイスがのってるのがいい」という方もいらっしゃるので、聞いてよかったと思うこともある。

言い間違えることは誰にだってあるし、違う意味で受け取ってしまうこともある。
そうなった場合、話し合いを通して相手に伝えたいこと、相手の言いたいことを確認して、お互いが納得していけると良いのかなと思った出来事だった。

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